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マンションにみられるトラブルの中でペット飼育に関する問題とその解決に至った経緯について紹介します。
近年ではペット飼育可の物件も増えてきてはいるものの、ペットの飼育を認めていないマンションでこっそりペットを飼育していたとして問題になるケースは今も後を絶ちません。
最近では、ペットも共存する家族として飼育を認めているマンションはかなり増えました。時代の流れに伴った変化とも言えますが、やや古いマンションでは「小鳥及び魚類以外の動物の飼育は禁止」と明記されているところも少なくありません。
多くの管理組合では、規約にのっとって運営を行っていますので、あくまでもペット飼育は不可との姿勢でトラブルになるケースも…。
ペット飼育の問題点としては、糞尿の処理や匂い、毛の飛散、アレルギー発生の懸念、衛生上の問題などが取り上げられます。
しかしその反面、高齢化や少子化の波でペットに癒しを求める家庭も増えており、ペット飼育を希望する声もたかまりつつあるため、管理会社の手腕が問われる問題でもあるようです。
あるマンションで、ペット不可にもかかわらず飼育していると問題になったケースがありました。
管理組合としては、規約に不可と記載されている以上ペット飼育を特例で認めるわけにはいかないとの姿勢でした。場合によっては、強制退去なども視野に入れなければならず簡単には結論は出せない状況にありました。
そこで管理会社に相談したところ、まずはアンケート調査の実施を提言しました。管理会社の協力のもとに居住者全員に直接アンケートを取ることによって、ペットの飼育に対する意見を求めたものです。
その後、飼育していた人を含め、管理会社のフロント担当者と複数回検討会議を行いました。その結果、「犬猫特例飼育細則案」という案を作成して総会にかけ、決議の運びとなりました。決議内容は以下の通りです。
この決議以降、ペットクラブの代表者が総会でその年の活動報告を行うことようになりました。このように管理会社の協力を得て、よい方向に解決することができました。
しかし、中にはこのような温情的な措置を破り、新規にペットの飼育を始めた居住者が現れるケースもありました。このケースでは裁判となり、管理組合の勝訴となりました。
ペット問題は、処分となれば命に関するものなので話し合いは困難を極めることが多いものですが、管理会社に協力を求めることでこれまでのノウハウをもとにしたアドバイスからよい解決策が生まれることもあります。
参照元:大判例法学研究所
(https://daihanrei.com/l/横浜地方裁判所 平成元年(ワ)1101号 判決)
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