公開日: |更新日:
マンションに見られるトラブルで、生活音に対する管理組合の対応事例を紹介します。
マンションを始めとする集合住宅では、様々な人が暮らす中で発生する生活音からトラブルになることがあり、中には事件になったケースもあるほど。
生活音としてよくあげられるのが、足音や音楽、テレビ、ピアノ(楽器)の音などです。そこで、最低限の対策としては具体的なルールを定めておくことです。
例えばピアノの練習は何時から何時までの間に行う、といったかなり具体的な内容になりますが、トラブルを回避するためにはやむを得ないといえるでしょう。
しかし、それでも日常的に生活音は発生するものです。そこで必要に応じて管理会社などに仲介やアドバイスを求めることが必要です。管理会社や場合によっては行政などのアドバイスをもとに細則を決め、広報などで居住者に周知徹底することが大切です。
3階に居住していた人が、リフォームによって部屋の床を絨毯からフローリングへと変えました。ところが、それまで気にならなかった足音が響くようになったと下の階の居住者から苦情がくるようになりました。
初めは終始謝っていた3階の居住者でしたが、互いにストレスが溜まる一方でしまいには対立関係になってしまったそうです。
2階の居住者は、はじめに管理組合に相談。管理組合から3階の居住者に対して足音について苦情が出ている旨の通知をしたところ、「音は立てていない」「神経質すぎる」といった反論が出て平行線のままになりました。
そこで、管理組合は管理会社に相談をしたところ、管理会社が理事立会いのもと、双方で話し合う場を設定してくれました。話し合いでは、双方の言い分を管理会社が確認し、互いの要望を聞き取りました。
ここでわかったことがひとつ。床工事をする際に3階の居住者がフローリングにする旨の告知をしてなかったことや、事前対策を施していなかったことがあります。工事は管理組合に届け出の義務がありますが怠っており、階下の居住者の許可も得ていませんでした。
管理会社は3階の住人に「絨毯に戻す必要はないが防音措置をする」ことを提言しました。また、「大がかりな工事はできない」という3階の居住者に対して、次の3点を提案しました。
これらの提案のおかげで、事態は収拾しました。もし管理会社の提案がなければ、裁判への発展も予想される事態でした。
このようにマンションでは、周辺住民への配慮や管理組合への報告義務を怠ってはならないということを教訓としなければいけないでしょう。
たくさんの居住者が暮らす場所であり共有財産であるがゆえに、目に見えない部分も共有していることを忘れてはいけません。
管理物件があるエリアはどこですか?