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マンション管理会社の撤退などの理由で、マンションを自主管理する必要になったとき、どのような課題が発生するでしょうか?ここでは、マンションの自主管理で生じる問題について説明し、その対応について考えていきます。
はじめにマンションの自主管理について考えていきましょう。自主管理とは、管理会社に委託せず、管理組合が自分でマンションの管理を実施することです。たとえば、管理員を直接雇用し、清掃作業を住民で行い、植木の手入れやエレベーターの保守点検などは専門業者に委託するなどの方法があります。
このように、自主管理といっても全ての管理業務を管理組合で行うわけではなく、自分たちでできない業務を専門業者に委託する一部自主管理の形態も存在しています。
自主管理のメリットについて考えてみます。まず、余分な管理費を抑制できるため、余った資金を修繕積立金に計上することができるようになります。修繕にお金を回すことができるため、資産価値の維持が高まる可能性があります。
また、管理が主体的にできるため、住民同士のつながりが深まり、セキュリティの向上が望めます。
管理会社のスタッフが入らなくなるため、マンション内の人的負担が増えてきます。清掃作業など自分たちでできるものを行う負担が増えます。また管理組合の信頼が落ちてしまうと、協力する住民が減って管理が行き届かなくなり、資産価値の下落をまねくおそれもあります。
国土交通省のマンション管理総合調査(平成30年度)によると、自主管理している割合は約10%です。自主管理をしているマンションは少数で、多くのマンションではなかなか自主管理に切り替えるのが難しい面も。加えて自主管理を行っているマンションの場合、トラブル時は話し合いで解決できなければ、外部の専門家に依頼して解決する必要があり、万が一の時の対応が遅れやすいようです。
※参照元:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」(https://www.mlit.go.jp/common/001287412.pdf)[PDF]
自主管理は、管理費を抑えることができますが、住民や管理組合からしてみれば多くの労力が必要です。特に役員の負担は大きくなるため、高齢化した役員には対応が難しいケースも出てきます。
そのため、自主管理が難しくなってきたら、外部に一部委託することを検討してみるとよいでしょう。それぞれのマンションに適した管理方法を考え、自主管理と外部への委託を組み合わせることで、管理費用と住民にかかる負担のバランスを取ることが大切です。
自主管理は管理費用を抑えるために有効な手段ですが、住民の高齢化などの理由で自主管理に限界が来ることも考えられます。そんなときは、管理業務の一部委託を検討することが大切です。管理費用と住民の労力のバランスを取り、各々のマンションで適した管理方法を模索してみましょう。
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